ファーストインプレッションて大切よね。

さて続きまして。

タイトルのとおりなんです。本当に、タイトルのとおりなんです。

 

モトカレ〜上司と2度目の恋〜 柏木聡一郎

           (CV:佐和 真中)

 

はい、皆さんおわかりかと思います。リリース情報が出たとき、というよりアートワークが発表になったとき、いろんなところがざわめいたあの作品です。

 

かく言う私も、そりゃあもう口を極めて論ったものです。どういう力学であの指がカップを持ち上げているのか、わしにはどうしても分からなんだんじゃ……(遠い目)

 

そう、散々好き放題言った挙句、聞いてなかったんですよ長いこと。聞いたのは、本当につい最近のことでした。

 

私の馬鹿ァァァァァァ(渾身の左頬パンチ)

 

なんでしょうね。この「騙された」感。ええ、裏切られましたとも。すげえいい意味で。

 

この上司(いや、元上司なのでこのあとは聡一郎さんとあえて呼ばせて頂きます)、マジ理想的。そしてこの佐和さん、マジ理想的。

 

出だしは、とある喫茶店のシーンから。サラリーマン的な男性が、キリマンジャロを頼んだところで息を呑みます。こっちがキリマンジャロかー酸味系が好きなんだねー、なんて思う暇もなく、誰かと再会した模様。これが、ヒロイン(立ち寄ったカフェの雇われ店長)と元上司である聡一郎さんとの再会でした。

少しの思い出話や近況報告(ここでお互いがフリーであることをスマートに確認するあたり、聡一郎さんお仕事できるマンだね!と思った私です)ののち、元同僚の結婚式でまた会えることを確認して、聡一郎さんはヒロインをカフェの業務に戻らせます。

うん、スマートなんだ。大人なんだ。低めに抑えられた佐和さんの声と、一人称「私」も相まって、なんともシックにまとまっていますよ。

ここで私「ん?」となるわけです。おやおや?あのジャケットに描かれている、若干お寂し山になりかけているようにも見える、不思議な力学でカップを持ち上げる、某さん曰く「ギターピックみたいな顔」をしたあの紳士(?)が、この素敵な素敵な聡一郎さんと頭の中で結びつかない!

かっこいいんですよ、聡一郎さん。

 

トラックが進み、結婚式の二次会中の二人。思っていたよりも出席者が多い二次会で、ムラオカ(恐らく新婦)ともろくろく話せないような状況で、酒に酔った二人は風に当たろうと海辺に出ます。そして、付き合い始めることになったきっかけの夜の思い出話を始めます。ちょうど今夜と同じように、宴会で酔いが回ったヒロインを介抱する、というところから始まるあの夜のことを。

 

うぉーい!何なのこの上司!素敵すぎるやろ!!

 

上位職掌(部長だったかな?本筋に関係ないからよく覚えてないけどとにかくクソ上司ポジ)の隣に座ってしまったヒロインが無理に飲まされているのを気にした聡一郎さん、宴会場外にヒロインを連れ出します。優しいね。困ったことがあったら自分に言えってさ。

このあとの会話からもわかるように、聡一郎さん、とてもこのヒロインのことをよく見ています。毎日の仕事ぶり、素直な人となりなど、とてもよく見て、褒めてくれます。上司としてとてもいい人だなぁって思ったら、まぁそれって好きだからなんだよね。知ってた。でも、上司としての規を越えないように結構気を使っていたりして。いい人だよなぁ、理知的で。


まぁなんだかんだで、介抱を口実に聡一郎さんは自室にヒロインを連れ込みます。てかこの会社、社員旅行では係長クラスから一人部屋を与えてくれるんですってよ。どんな規模の事業所がわかりませんが、いまどき信じられないくらい手厚い福利厚生です。まあそんなことはどうでもいい(いや、そうでなければ連れ込む場所もないからどうでも良くはない)。


とにかく、自室に連れ込んだヒロインをあーだこーだしちゃうわけですが、

くっそエロいのなんの!聡一郎さん!!

耳元で徐々にトーンを落としつつ、最終的には吐息で囁きかけるというテクニック!おい!腰が何個あっても足んねーぞ!!しかもさ、ちょっと意地悪っぽく言葉で煽ったり。もしキスしたらどうなるんだろうな、なんて、分かってていってんだろー!!!もう!!!その後も言葉で辱めまくりーの煽りまくりーの。実況魔神聡一郎氏の降臨です。

その癖、その前には「君から求めて、君の同意なしに俺から仕掛けたらパワハラになっちゃう」的なことを言ったりするわけです。おい!お前!断らないってわかってんだろ!!ずるいぞ!!そして私はずるい大人が大好物だ!!!

そんな濡れ場パート1ですが、なんと寸止め。でも私、ここが結構重要だと思ってます。ゴムがないからってんでこんだけ煽っといてやらないって、聡一郎さんのお人柄のなせる技なわけですよ。最後までする訳にはいかないから、しない。ヒロインが大切だから、しない。

これ、相当鍛え上げられた精神でないと無理だと思うの。なんぼ「次は遠慮しないよ」なんて言っても、

テント建立してんだろ?

って思うわけです。それでも、そのテントをひたすら無視して、ヒロインを部屋に戻らせる鉄の精神の持ち主、聡一郎氏。素晴らしい。そして素晴らしく一人決め。ヒロインだって中途半端だったでしょうに、旅館なんだからゴムくらいどっかで売ってるだろうし、大体財布に一個くらい入ってないのかよ!(いやガキじゃあるまいし財布はないわな)

 

まぁ、そんな人だから、ヒロインとの別れを迎えてしまうわけです。完全に自己完結。

なんでだよ!勝手なこと言うなよ!

という気持ちと、

こんなに思ってるからこそ縛りたくないんか…ええ奴やな…

という気持ちが私の中で2017年初場所千秋楽の白鵬稀勢の里ばりに土俵際でせめぎ合いました。

この別れは悲しい。でも、この別れ方じゃなきゃ結局元鞘には戻れんのじゃよ。好きだけど別れた、っていうのはでかい。

 

で、焼け棒杭に火がついちゃうのです。

 

ウェルカーーーーム!!!!!!

 

いつかのように二人で部屋に入って、静かに話すわけです。今度は素直に。

聡一郎さん、いいよいいよ!一通りのことを経験した男が、弱さや駄目さ加減を曝け出してしまうのって、とてつもなく絆されるんですよね、私!!可愛いよ聡ちゃん可愛いよ!曝け出すだけ曝け出したあと、急に凛々しく告ったくせにやっぱり弱腰になったりヒロインの涙の告白に死ぬほど動揺したりしちゃってさぁ!なんだよぅ、かっこいいくせに可愛いとか、ずるいなぁ!

 

ほんで、ここからが濡れ場パート2。

佐和さん、またぶっ飛ばしてます。囁き、リップ音、台詞回し、そのへんがもう全力で私の腰を殴りかかりに来ます。んぎゃー!!!やめて!!!私の(腰回りの)ライフはもうゼロよ!!!

 

ベッドの中で二人は、2度目の恋だからこそできる「昔の自分たちとの再会、そして現在との比較」をやるわけです。聡一郎さん、ここできちんと正解出すよねー。姿は前と変わっていないし、内容は前より良い。はい。これが正解!

 

そして聡一郎選手、今度は抜かりありません。

 

チェックイン前にちゃんとゴム用意してるー!!!偉いぞ!!!

同じ過ちを繰り返さないのは、会社員として大変重要なスキルだ!さすが、栄転に次ぐ栄転(つーか凱旋?)を遂げた男だけのことはある!おばちゃん褒めちゃうよ!


じっくりまったり愛を確かめ合う二人。相変わらずの実況魔神です、聡一郎さん。前は最後までできなかったけど、今度はできてよかったね!そのせいか、随分はっちゃけているように思いました。エロい、そしてエロい。そして、思いが溢れてます。これ、賃貸二階のお風呂場だったらオーバーフローして階下のお部屋に迷惑かけるレベル。でも、二年分だもんね。

 

そんなこんなで、いい濡れ場でした。なんかさぁ、低音佐和さんの濡れ場最中の「可愛い」は反則的にエロい……そして、年上としての責任感や、それでも心の中にある葛藤や戸惑いをきちんと声に表してくださる技術の高さに、「やっぱ月刊達成する人ともなるとほんと違うな……」って心底思いました。一時飽きちゃったとか思ったこと、死ぬほど後悔しましたよ。

ラストトラックではリスクヘッジしながらのプロポーズ、さすがのビジネスパーソンぶりです。憎いね聡ちゃん!幸せになってくれ!あんたみたいないい男は、幸せになるべきなんじゃよ!(ババア渾身の叫び)

 

そして表題に戻るわけです。

ファーストインプレッションって、まじ大事だから!!!ねぇ、メーカーさん、そこ、本当に大切にしてくれ!!!!

(この件に関しては、別タイトルでもう一度語りたいと思っております。絵かきでもない私が同一絵師さんについて物申す形になるので、本当に申し訳ないとは思うのですがこれは黙っとられんのでね……)